アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

幸運を求めて宿に泊まる人も!座敷わらしに出会うと幸運を貰える?

漫画やアニメでは可愛らしい姿で表現される座敷わらし。

座敷わらしは、実は全国に広く伝わっているのですが、その数はあまり多くありません。逆に岩手県を中心に多く見られ、東北地方の有名な妖怪として全国に知られています。

特に、岩手県のとある旅館は、昔から政治家や著名人も泊まったことがあるほど有名で、多くの客が座敷わらし会いたさに訪れ、テレビでも取り扱われたことがあります。

他にも座敷わらしが現れる宿は実際にいくつか存在し、中には江戸時代に起こった火災時には旅館の大女将さんの実家を守ったという話もあります。(その座敷わらしは、大女将さんの嫁入りについてきて、宿泊客の前に時々姿を見せていたとのこと。)

そもそも座敷わらしは、テレビで取り扱われる以前に、岩手県遠野地方に伝わる伝承や逸話を民俗学者の柳田國男がまとめた「遠野物語」に出てくることもあり、古くから知られています。

姿かたちは、多くの目撃情報によると10歳を越えた座敷わらしもいますが6歳ぐらいが多く、男女両方いるとのこと。大抵はおかっぱ頭やざんぎり頭、着物やちゃんちゃんこを着ているようです。

いたずら好きで、枕を返したり布団の上に乗ったりします。特に旅館などでは、お客が持ってきてくれたおもちゃが多く飾られているのですが、そのおもちゃを動かしたりすることもあるそうです。

座敷わらしに会うと男は出世し、女は玉の輿にのれると言われており、多くの人が幸せを求めてやってきます。

床下に金の玉を埋めたり、小豆(好物と言われているため)を供えると座敷わらしが居つくという話もあり、実際に小豆飯やお菓子をお供えしている家もあります。幸せを運ぶ為、どちらかと言えば、妖怪と言うよりも神様や精霊のように扱われている面があります。

このように幸福をもたらすと言われる座敷わらしですが、逆にその家を出てしまうと衰退してしまうと言う点でも有名です。

「遠野物語」にある話では、座敷わらしが出て行ったためにその一家は7歳の女の子を一人残して食中毒で死に絶えています。(出て行った理由と言えるエピソードもありますが、割愛します。)

ここから言えることは、座敷わらしが実在するしないに関わらず、旧家や大家の盛衰が昔から多かったことでしょう。

良くも悪くもその家の盛衰に影響を与える座敷わらしですが、その起源といいますか、正体は実はちょっと怖い話になります。

いくつか説はあるのですが、まずは幽霊という説があります。これは、時代の問題でもあるのですが、貧しかった頃、「口減らし」「間引き」と言って、家族を助ける為に食べる口を減らす意味で親が子どもを間引きしていたのです。

しかも、公にすることが出来なかった為、墓はなく、土間や軒下に埋められていたという悲しい時代がありました。

座敷わらしがいると栄え、家を出るとその家が不幸になるというのも、子どもの霊が正体と言われると妙に納得できてしまいます。きっと家族を大切に思うのが、子どもの霊なのでしょう。

他には、大工の呪いという説もあります。これは、大工が家を建てる時に、家人の所為で気持ち良く仕事ができなかったことに対する恨みが原因とされています。木片を剥いだ人形を柱と梁の間に挟み込む呪法があったようです。

かっぱが座敷わらしの前身という話もあります。かっぱが家に上がり込んでいたずらをしたということです。どちらも遠野地方では多く目撃例がある妖怪です。

座敷わらしの元がなんであれ、今は幸福をさずかることのできる妖怪とされていますが、当然、大切にするべき存在でしょう。