アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

雪男は未確認生物として聞くけど女性の場合は怖い妖怪?雪女とは

言葉のイメージから雪男と雪女は一見同じように感じますが、実はかなり別物です。

雪男は、UMA(未確認生物)として世界中に知られています。海外では「イエティ」「ビッグフット」と呼ばれ、目撃情報だけでなく足跡も多く発見されています。

ロシアのケメロヴォ州で開かれた国際会議で95%の確率で実在するとの結論が出されたことや、架空の生物と言われていたゴリラが19世紀末に確認されたことからも、実在する生物の可能性が高いと信じられています。

対して雪女は、雪の降る夜に出没すると言われている妖怪です。特に吹雪いているシチュエーションが多く、豪雪地帯の有名な妖怪のひとりで全国に広く分布しています。

もちろん全国とはいえ、多くは東北地方や北陸地方など積雪の多い山間部での伝承が多いようです。その中で呼び名も地方により変わり、「雪女郎」「雪ンバ」「雪オンバ」などいろいろとあります。

古くからその存在は知られており、室町時代に作られた物語にもすでに出てきます。

雪女の正体として言われているのは、雪の精、寒い雪の日に行き倒れた女性の霊と言う説があります。多くは白い顔に白い肌、衣も白を纏い、名前からわかるように体も氷のように冷たいと言われています。

見た目は同じでも地域によって雪女の行動は違っており、東北地方では、雪女は出会った通行人に子どもを抱いて欲しいと願い出るが、言われたまま赤ん坊を抱くと段々と重くなり、雪に埋もれて死んでしまうという怖い話があります。

東北でも秋田では、雪女に遭遇した時に言葉を交わすと食い殺されると言われています。福島県では、逆に返事をせずに後姿を見せると谷底に突き落とされます。新潟県や茨城県では子どもを誘拐し、岐阜では山小屋に現れ「水をくれ」と言うが、その通りに水をあげると殺されてしまうようです。

面白いのは山形県で、元は月の世界のお姫様だとされ、生活が退屈な為に地上に降りたが月に帰れなくなってしまい、雪の降る夜に現れるとなっています。

地域によって差はあれど、座敷わらしのような幸をもたらすものではなく、多くは恐ろしい妖怪として見られているのは、山姥と同じように考えられているのかもしれません。

特に有名なのは、小泉八雲の「雪女」でしょう。ストーリーは割愛しますが、この雪女の伝説の舞台は武蔵の国となっており、意外にも今の東京の青梅市です。東京と言うと不思議に思うかもしれませんが、降雪の多い時代もあったのです。その為、青梅市には、「雪おんなの縁(ゆかり)の地」碑が建てられています。

よく漫画やアニメでは主人公寄りの良い妖怪のイメージがあるのですが、実際には人間を襲ったり、そうでなくとも恐ろしい様子を見せるという点では、雪山という環境がいかに人間には厳しいかと言うことを教えているのかもしれません。

雪女は妖怪なので、最初に触れた雪男とは違って架空の存在のように思われるかもしれませんが、それでも古くから伝わり多くの地域で伝承や絵が残っています。江戸時代でも有名な浮世絵師が雪女の絵を残しています。

雪男ほどの核心はないかもしれませんが、絶対いないともいいきれないのではないでしょうか。