アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

起源はエジプトのスフィンクス?狛犬は妖怪ではなく神の守護獣

妖怪アニメで狛犬と同じ容姿をもった妖怪がいます。これは、狛犬に取り憑いていた霊(?)から妖怪となったそうですが、狛犬自体は実は妖怪ではありません。

誰もが知っているとは思いますが、狛犬は神社や寺院の入り口両脇に置かれている、獅子とも犬とも言える想像上の獣になります。狛犬とありますが、犬ではありません。

その起源は古代インドになり、仏様の両脇に守護するためにライオンの像を置いたのが始まりとされますが、古代エジプトやメソポタミアの守護ライオンもその源流とされています。要は、スフィンクスと狛犬は、はるか昔に繋がっているのです。祖先と言ってもいいかもしれません。

ちなみにエジプトにあるスフィンクスは、神話に出てくるライオンの体に人間の顔を持った怪物です。

日本には中国を経由して仏教と共に輸入されました。しかしその当時は、まだ両方が獅子であり、狛犬は存在しませんでした。その後、平安時代頃から日本独自の「獅子・狛犬」の形に変わっていきました。

形式としては、右側が獅子像になる「阿形(あぎょう)」と言って口が開いています。左側が狛犬像になり、「吽形(うんぎょう)」で口を閉じています。また、狛犬は角を持っています。

阿吽とは、インドの古い言葉サンスクリット語で、アルファベットの最初と最後の文字を指します。ここから人生の始まりと終わりを意味しているのがわかります。

「阿吽の呼吸」と言う言葉を耳にしたことがあると思います。阿は、口を開いて発声、吽は口を閉じて発声、吸う吐くを行う=2つ(2人)の事を同時または一緒に行う微妙なタイミングが揃うことを意味しています。初めと終わり、そして2つの一致。なんだか奥が深い気がします。有名な金剛力士像も阿吽の形になっています。

狛犬は、鎌倉時代から様式の簡略化がさらに進み、昭和以降では左右とも角が無い物も増えています。その為、口の開き方以外では、現在では見た目に違いがあまりなくなってきています。

その関係もあるのか、昔は「獅子」と「狛犬」と左右はっきり分けていたのが、今は両方とも「狛犬」と呼ばれていることが一般的になってきました。

また、元々は屋内で設置される陶器や木製、金属製の像であったのですが、屋外に設置されるようになるのにあわせて今の主流とも言える石造になってきます。

加えて、当初は宮中のものだったのも、天皇家と縁のある神社、さらに一般の神社へと広がっていきます。神社だけでなく、お寺にも設置されている所もあります。

元々、日本は神様を祀るのに形あることにこだわっていたわけではないのですが、仏像があるように仏教の影響を受けて形あるものが作られるようになったとも言えます。それが神像になるのですが、その守護獣である狛犬も人々に定着していきました。

よく性別について疑問に思う人がいるようですが、決まりがあるわけではないそうです。中にはきちんと雌雄がわかるように造られた像もあったり、口が開いている方は弱くて鳴くから雌だという意見もありようですが、個々での決めつけのようなものです。

妖怪とは違う守護獣である狛犬ですが、神社へ行くと必ずと言っていいほど見かけるものです。アニメの影響もあり身近に感じることも多いのですが、歴史の長さからしてもいろいろな流れや説があり、奥深いものです。形も違ったりするので、神社へ出向いて見比べても面白いかもしれません。