アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

のりのCMで知られるだいだらぼっちは実は富士山を作った巨人!?

妖怪にもサイズの大きなものもいます。その一つ、だいだらぼっちは、のりのCMや鹿のような姿からだいだらぼっちに変化したアニメ映画で知っている人も多いでしょう。

それらにより一目でわかるとは思いますが、だいだらぼっちを一言で表すと巨人です。全国に広く知られてはいるものの、主に関東や中部地方が中心になっています。特に関東では、東京に多く伝承が残っているようです。

呼び名に関しては、「でいだらぼっち」とも言いますが、それ以外にも様々な呼び名があります。「だいらんぼう」「だいらぼう」「おおきぼちゃぼちゃ」などいろいろあり、表記も「大太法師(だいだらぼっち)」「大太郎坊(だいだらぼう)」などと書くことがあります。九州では「大人弥五郎(おおひとやごろう)」とも呼ばれています。

巨人ではあるのですが、人間と比較して大きな人という規模ではありません。だいだらぼっちに関する伝承や逸話では、そのほとんどが山を作った、沼や湖を作ったという話ばかりです。大きさで考えると想像もつかないほどかもしれません。

ただ、きちんとしたサイズがわかるような記録はなく、想像するしかないでしょう。だいだらぼっちの足跡は、大抵が湖や沼になっています。そこからもいかに大きいかがわかります。

足跡で出来たものには、長野県の青木湖、中綱湖、木崎湖、東京の代田、埼玉の大田窪があります。

一番有名なのは、富士山です。富士山を作るのに、だいだらぼっちが甲州の土を取った為に甲州は盆地になったとされています。また、富士山を作るのに近江の土を掘った跡が琵琶湖になったとも、その時の足跡が琵琶湖になったとも言われています。

他にも榛名富士を作る為に掘った跡が榛名湖になった。西の富士、東の筑波の両山の重さを量ろうと天秤棒に結わえつけようとした時に富士山が持ち上がらず、その為に筑波山の方のつるが切れてしまい、落ちてしまった衝撃で筑波山が1峰だったのが2峰になってしまった、などの伝承もあります。

他にも赤城山に腰掛けて利根川で足を洗ったり、羽黒山に腰掛けて鬼怒川で足を洗ったりという話もあります。有名なのは「常陸国風土記」にある茨城県水戸市にある大串貝塚は、だいだらぼっちが貝を食べてその殻を捨てた場所だとも言われています。

東京にもたくさん記録が残っていて、やはり足跡が窪地や池になったり、井戸になったりもしています。草鞋からこぼれた土が塚を作ったというのもあります。

実に様々な話があるのですが、その多くはやはり山や川など自然に関する話ばかりです。

アニメ映画では、人の命を与えたり奪ったりという神様のような描かれ方をしていますが、各地域の伝承ではまず見られないようです。もし神様と考えたとしても国を造った神様と考えた方がいいかもしれません。

また、のりのCMであるような海苔の作り方を人間に教えたというような、人との関わるような話はほとんどありません。

海苔の会社のだいだらぼっち(会社ではでいたらぼっちになっています。)は、それこそ仕事が海苔作りの伝授とあるので、あれはあくまでCMでしょう。かわいくて子ども達にも人気があるようです。