アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

昔から伝わる天狗は実は神様?人間から天狗になった人も…

姿形は、山伏の服装で顔は赤く鼻が高い(長い?)、そして翼が背中に付いていて空を飛ぶことができます。場所は違ってもこの容姿は一般的なのが、天狗です。

日本では天狗の名が出てきたのが、日本書紀が最初のようです。元々は中国で流星を天狗と呼んで、今のような妖怪の意味はありませんでした。しかし、それが伝わったものの、定着することはなかったようです。

その後暫く、「天狗」は平安時代まで記録には出てこない状態でした。そして平安時代には、天狗は流星の意味ではなく、妖怪の類として出てくるようになります。

天狗には種類があり、「大天狗」「烏天狗(からすてんぐ)」「木の葉天狗」があります。一般的な容姿は先に触れたものの、種類によって若干細かく違います。

大天狗は、やはり体も大きく、(神通)力も強いとされています。その為、姿形を変えることができるとも言われています。

烏天狗は、言葉の通りカラスの顔でクチバシがあります。当然翼を持っており、飛ぶことができます。木の葉天狗は、大きな鳥と言えばわかりやすいかもしれません。

また、天狗は神として信仰されていたものあり、名前がついている天狗もいます。

「太郎坊(愛宕山、富士山)」「僧正坊(鞍馬山)」「次郎坊(比良山)」「法性坊(比叡山)」などをはじめ、山々であります。源義経が幼い頃に剣術を習ったというのは、鞍馬山の大天狗、僧正坊になります。

人間が天狗になった話もいくつかあります。その中で有名なのが、「役小角(えんのおづの)」です。飛鳥時代の人で、元々が呪術者でした。修験道と言う、山へ籠って修行をし悟りを開く山岳信仰があるのですが、それを行った開祖を言われています。

ただし、その当時から天狗と言われていたわけではありません。ちなみに仙人とも言われています。

天狗=役小角も後付けになりますが、そもそも天狗は山の神ともされている為、(いくつかの経緯や歴史を経ていますが)修験道が合わさって後々の山伏の格好という天狗のイメージにも影響を与えていると言えます。

他にも崇徳上皇や後鳥羽上皇、後醍醐天皇らもその怨霊が天狗になったとされています。

天狗の能力としては、やはり空を飛ぶということが最初に浮かぶでしょうか。山の神と見られることから、山で聞こえる不思議な音や風もないのに木々が揺れたり、山を中心に起こるいろいろな怪異は天狗の仕業と言う見方がほとんどです。

山で大きな石が飛んでくる「天狗礫(てんぐつぶて)」も天狗の仕業とされています。明かりを飛ばす「天狗火」、山から太鼓のような音が聞こえる「天狗太鼓」などもあります。これらのように名前がついた天狗の悪戯も妖怪として扱われています。

もちろん、そんな悪戯的な内容だけではなく、先に触れた源義経のような話から、愛媛の石鎚山では迷子になった子どもを助けたという話もあります。

長い歴史があるとも言える天狗ですが、その正体も他の妖怪と同様、いくつかの説があります。自然現象説、外人説、UMA(未確認生物)説などです。

実は目撃情報もあるので、絶対天狗はいないとも言い切れないとは思いますが、印象としては自然現象説が一番しっくりくるかもしれません。

ちなみに日本神話に登場する猿田彦(サルタヒコ)は、祭礼時の様相が赤い顔の長い鼻の面であることから天狗と間違えやすいですが、本来は別です。