アニメだけじゃない!昔から日本にいた妖怪の伝説を紹介!

アニメで有名になったのは霊の猫だが何年生きたら化け猫になる?

猫の化け物と言えば、主人公がメダルを使って妖怪を呼び寄せるアニメが有名になりました。そこに出てくる猫の化け物は主要キャラクターで可愛いことで人気がありますが、妖怪アニメと言ってもこの猫に関しては実際には妖怪ではなく、地縛霊です。

では猫の妖怪には何があるのか、と言えば、「化け猫」が有名です。

化け猫が登場するのは、鎌倉時代の頃からと言われています。民間伝承や逸話が増えて行き、江戸時代には、多くの怪談話に登場するようになります。

他にも猫の妖怪として「猫また」がいますが、その違いはあまりなく、見分けにくいと言えます。ただ、猫または尾の先が二股に分かれているという特徴があります。

化け猫の行動としては、人の言葉をしゃべる、人間に化ける、人間を襲う、人間を祟る、死体を盗んでいく、などがあります。

実際、猫の行動として、夜行性であったり足音を立てずに歩いたり臭いに敏感で血を舐めることもあったり夜は目が光って見えたりと、妖怪に間違えられても仕方がないかもしれません。

化け猫は夜に行灯の油を舐めると言う話もよくありますが、これは今のように油が灯油ではなく、鰯油を使っていたからだとされています。魚の油なら猫は喜んで舐めそうです。

化け猫の話で有名なのは、肥後国佐賀藩で起こった「鍋島の化け猫騒動」です。当時の藩主の機嫌を損ねて殺された臣下の母が、飼い猫に恨みを語って自害しました。その飼い猫が亡くなった母の血を舐めたことにより化け猫になり、藩主を苦しめたと言う話です。(最終的には化け猫は退治されます。)

実際には、その臣下の家は元々藩主だったのが藩主が変わったことや、その後に立て続きに偶然に起きた不幸により乱れた治安を治めようと寺を立てたことから、化け猫騒動ができたようです。

しかも、その伝説は広まり芝居になったり、昭和になってから映画にもなったほど人気が出ました。

元々猫は、経典をネズミから守る為に仏教と共に輸入されました。その為、最初の頃は寺で飼われていました。その後、江戸時代には一般庶民に広く飼われるようになりましたが、発端が寺院だったので、化け猫の伝承は寺院に多くあります。

ある寺院で飼われていた猫がしゃべったのをその寺の和尚が見たという話が、江戸時代に人気のあった随筆「耳袋」に書かれています。

よく長生きした猫は化け猫になるという話がありますが、その「耳袋」には、10年生きると言葉が話せるようになるとされています。また、狐との間に生まれた子どもは10年経たずにできるようになるともあります。茨城や長野県では12年、沖縄県では13年という地域で細かく年数が出ている所もあります。

しかし、猫を飼っている人ならわかると思いますが、今現在10年以上長生きする猫は多く、家猫の場合、平均寿命は15歳となっています。でも人間の言葉をしゃべったという話は聞きません。ノラ猫の場合は、環境により5歳~10歳です。

昔は、今でいえばノラ猫と同じぐらいの寿命だったと考えれば10年以上生きる猫は少なく、また鳴き声の聞こえ方から、しゃべっているように見えたのでしょう。

とはいえ、実は猫はしゃべれるのだけれど秘密にしているのかもしれません。